採用責任者が語る【理不尽な】転職裏事情(2)~転職理由が伝わってこない!

私は、いかなる理由であっても転職を否定するつもりはありません。しかし、採用する側の立場だと、『事情はわかるが、その理由ではダメだな』というのがあるのは事実です。

少なくとも現実逃避型の理由は言い方を変えましょう。

また、『なぜ転職をするのか、したいのか』が本人としては明確なのでしょうけれども、それを採用側に伝えられないのであれば『不明確』です。

この記事を読んでいただきたい方
  • 転職はしたいが理由があいまいなままである
  • 理由として伝えて良いこと(本音を言っても良いのか)がわからない
この記事を読んでいただくとわかること
  • 伝えてはいけない転職理由はなにか
  • それでも聞きたいときはどうすれば良いのか

よくある転職理由

募集してみて届く書類に書かれている(あるいは推測される)転職理由は列記するとこのようなものです。

書類に書かれる理由・志望動機

  • 過去の〇〇の経験を活かしたい
  • ステップアップしたい
  • (新たに)〇〇を目指したい
  • 自分の可能性を探りたい
  • どうしても行きたい会社・業界がある(御社で働きたい)
  • 出産・子育て後の復帰を目指している
  • (まれな例として)会社が倒産した、経営状況が悪い、解雇された

正直に書けない理由・志望動機

  • 昇進の見込みがない
  • 意見(改善等の提案)をしても通らない
  • 収入アップを目指したい
  • 会社の雰囲気になじめない
  • 苦手な上司あるいは同僚がいる
  • 残業が多すぎる、自分の時間が持てない
  • 体調を崩した

意外に多い『なぜ転職をしたいのか』が不明確な転職者

もしかしたら、『不明確』というのは正しくないかもしれません。

これは書類ではきちんと志望動機が書かれているけど、会ってみるとそれが伝わってこない方がいるということです。

この場合、書類に書けない理由で転職しようとしていることがほとんどです。

だって、本音を言えないのですから。

採用側は面接のためのテクニックを持っている

面接に限らずコミュニケーションのテクニックとして、質問をどう組み立てるかがあります。

ご存知かもしれませんが、オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンを使って、相手の本音を引き出していきます。

簡単に説明すると、オープン・クエスチョンとは『犬を飼うことをどう思うか?』に代表されるイエス・ノーで答えられない質問、クローズド・クエスチョンとは『犬が好きか?』といったイエス・ノーで答えてもらう質問です。

前者は考え方を知りたいとき、後者は回答を明確にしたいときに使用します。

中には、『犬が好きか?』というクローズド・クエスチョンなのに、『はい、犬は好きです。でも散歩が面倒に思うことがあるのでそんなときはノーです』という回答をする方もいて、そういう方にはお引き取りいただきます。

一緒に働くことになっても、こういう思考は変わらないと思うからです。

話がそれてしまいました。

面接するとすぐにわかる本当の転職理由

このような質問テクニックを使い、あたりをつけて面接で質問するとポロっと本音を漏らします。

たとえば収入アップが目的の転職者に、『年収はどのくらいが希望か?』と尋ねると、現在との比較でかなりアップしたものを言ってきます。

また、話も具体的です。

(断っておきますと、私は収入アップが目的でも否定はしません。)

書類に書けない理由で転職活動をしていると、書類では通過しても面接でわかります。

もちろん100%わかるとは言いませんが、そのための面接ですから。

転職の正当性を訴える転職者と真意を探そうとする採用側の戦いがあるわけです。

隠していてもどこかに論理の辻褄が合わないところがあったり、なぜそれを強調するのかと思うようなことを持ち出したり、言った後に『しまった!』と思うのか補足、訂正したりします。

あとは雰囲気、口調など。

そのような、つい、しゃべってしまった経験はありませんか?

転職理由は転職活動の幹、転職者は不満があって当たり前

現状に不満がなければ通常は転職活動をしないはずです。

言い換えると、転職者は不満があるということ。

そんなことは採用側もわかっています。

その不満を開始地点として転職活動の核にする必要があります。

どう採用側に伝えるかがカギです。

幹です。

採用側からすると『困る』転職理由、志望理由

いくつか例を挙げてみます。

収入アップ

書類には書くべきではない項目の1つです。

ただし、希望があって、それが金額が入社を決める重大な条件であるならば、確認するべきです。

しかし、日本ではそういうのを嫌がる会社があることは理解しておくべきです。

では、どうするか?ですが、エージェントを介しての紹介であるならばエージェントに聞いてもらうべきです。

転職者から聞きにくいでしょうし、人物、経歴で候補者になっても、年収で大きな開きがあれば合意は難しいので、私は面接の早い段階でこちらから必ず確認するようにしています。

転職者が聞ける雰囲気だとしても、『ご質問は?』と聞かれてこれを最初に聞くのはダメです。

会社の雰囲気が合わない、嫌いな人がいる

言い切ってしまいますが、そんな会社はどこにでもあります。そんな人はどこにでもいます。転職先にもいます。

その理由での転職は止めるべきです。

中途採用をする会社であれば、あなたの入社後にやってくるかもしれません。

そんな人間のために自分の人生を振り回されてはいけません。

〇〇をしたい、目指したい、自分の可能性を試したい

私の元にも、○○をしたいからという理由で応募してくる方がいます。

それはありがたいのですが、実際にお会いして深掘りしてみるとまったく知識がなく、本当にしたいのか疑わしいと思う方が結構います。

こういう方は、自分が行きたい会社、業界が募集しているから応募しているとしか考えられません。

したい、したいと言っても、事前に何か勉強しているわけでもなく、これでは任せられないです。

同様に、自分の可能性を探りたいのは良いのですが、それが何か明確ですか?なぜ今回応募したのでしょうか?

会社はお金をもらうところです。

自分探しに付き合う場所でもなければ教育する機関でもありません。

未経験可とされている場合を除いて、即戦力となることを期待されているのが中途採用ということを意識すべきです。

そのために何か努力していますか?

残業が多すぎて…、土日が休みでない、自分の時間がない

先に言いますが、転職先も残業が多いかもしれません。そのときはまた転職するのでしょうか?

現在の職場で効率化を図っていますか?

止めても良い仕事を前からやっているからいう理由だけで続けていませんか?

昨今転職は当たり前になっていて、当事者はそうは思っていないのでしょうけど、経験・学びになっていない無駄な経歴を履歴書上に増やすべきではありません

残業、休日出勤についても、収入と同様にエージェント経由で聞くべきでしょう。

英語を使った仕事をしたい

私の勤務先が外資系ということもあり、このような志望理由で応募してくる方が結構いらっしゃいます。

これを読んでみてどのように感じますか?

私の場合は、大学生の就活じゃないのだからと思って書類で落とします。

これも相性です。

英語はあくまで道具だと私は考えています。

それを使いたい!というものではありません。

使いたいのであれば、通訳にでもなってください。

その先に触れないとダメです。

英語を使ってしたいのは何なのか?

たとえば、英語を使って海外の取引先と価格交渉をする仕事がしたいとか、もう少し具体的なことを伝えるべきです。

『パソコンを使う仕事がしたいです!』と言われたら、どう思いますか?

まとめ

転職理由・志望動機は上記のものが本音だとしても、書いてはいけません。

中途採用に求められるのは、即戦力になりうる人材であることです。

そこから考えると、『こういうことができて、これをしたいから転職したい』というものが必要です。

前向きな理由にするべきということです。

(つづく)

あくまでも、『できる仕事、実績』を訴えることですね。

まだまだ続きます。

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