

巷にたくさんの転職関連のHow toモノが出版されています。
そして、ほとんどが採用してもらいたい側(以下『転職者』とします。)のために書かれたもの。
採用する側(以下、『採用側』)はこう考えているから、このように書類を作成しましょう、こういう質問にはこのように答えるべき(あるいは、答えてはダメ)といった内容のものです。
しかし、現場では『そうじゃないよな』、会ってみても『つまんねぇ奴だな』と思うこともあります。画一的な準備・応対では成功しません。
大学卒業後、会社員として36年間勤めてきました。すでに定年まで1年を切っています。36年なんてあっという間です。
私自身も転職を4回経験しております。5社に勤務経験ありということです。
初めて転職を経験した30年前とは転職市場も大きくなり、日本での意識も変わり終身雇用は崩れています。
しかし、転職が当たり前の世の中でも失敗することはあります。
私も役職になるにつれ私自身が採用をする立場になり、中途採用をする機会も増えました。
そして今や実質的な最終決定者の立場になってしまいました。
私は、管理職の仕事は組織の継続させることだと考えており、そして組織は人がすべてとの思いで採用活動を行なったことを残すべきではないかと考えたため、転職者、採用側の両方での経験を今回記事にしました。
きれいごとだけを言うつもりはなく、採用側が実際にどう考えているかを一歩踏み込んで記述したつもりです。
今では転職なんて当たり前の世の中ですが、採用側からすると少しでも良い人材を採りたいと思っているのは昔と変わりません。
- 転職を考えている
- 転職で採用間違いないと思っていたけど、不採用で理由がわからない
- 転職者と採用側の意識の違い
- どのような基準で採用を決めているか
- 『お試し受検』はするべきか
- 学歴を気にするべきか
中途採用に求められるものとは?
学んだ経験をすぐに活かしてくれる、その1点です。
逆に、単に年齢だけ重ねていると判断されるならば確実に厳しい結果になります。
新卒ではないので、やる気を示すだけでは難しいです。
『ボール』を持っているのは常に採用側
転職は転職者と採用側の合意で初めて成立するものです。
しかし、仮に入社しないとしても、それは採用通知をもらってから判断することですので、いかに転職市場が売り手市場(転職者優勢)であっても、採用する側がボールを持っていることは肝に銘じておく必要があります。
採用されるには、採用側が求める人材である必要があります。
理不尽な事情 その1
どんなに優秀であっても、採用側が求める人材でなければ採用はされません。
『採用側が求める人材』の基準には、現在勤務しているスタッフの報酬面と釣り合うかも含まれています。
能力が未知の人に、既存スタッフより高い報酬を支払えるかと問われると、その根拠がない限りかなり難しいです。
採用側が『軽い気持ち』で募集することはない
会社としては、一旦採用すれば、その人が退職するまで面倒をみなければいけません。給与以外にも発生するコストがありますので、定年まで在籍すれば数千万、数億のお金を使うことになるわけです。転職者はこの点をあまり理解していないかもしれません。
採用側にしてみたら、採用することは、その人の一生を預かることに近いことを意味します。また、組織にとっても重要な投資です。
採用側は(少なくとも私は)、満足できなければ採用しない前提で採用活動をしています。応募してきた転職者の中から何が何でも選ぼうとは考えていません。
野球で言うなら、『ド真ん中の絶好球が来るまで待つ』心境です。
もちろん、良いところを見つけようとはしていることは付け加えておきます。
一方、転職者は、『とりあえず、知っている会社だから応募してみよう』、『エージェントが勧めてきたからとりあえず受けてみよう』、中にはいわゆる滑り止めの気持ちでという方もいるわけでして、全員が行きたくて応募しているわけではないと感じます。
自分も若い頃はそうでした。
ここにミスマッチが発生します。
企業によっては過去の応募履歴をデータベース化しているところもあります。
一度×(バツ)を付けられるとその後の応募ができなくなる(応募しても門前払い)こともありますので、転職者も一期一会の気持ちで向き合うべきで、気持ちが曖昧な応募するべきではないのです。
なお、履歴をデータベース化している組織であれば、良かったけど何らかの理由で縁がなくても、別の機会に人事部門がコンタクトすることもありますので、その点も頭の隅に置いておくべきです。
学歴は大事か?
大事か、大事でないか、と問われたら努力の結果とも言えるので大事だと答えます。
しかし、それも第二新卒までで、それ以降に私が重視しているのは、学歴よりも地頭の良さ、機転が利く、コミュニケーション能力といった計りにくいものです。
どのようにそれを判断するかは、別の機会に。
学歴は決め手にはならないということです。
しかし、高学歴であれば、とりあえず書類審査を通過しやすいということは言えます。
学歴がない、低いからといってあきらめるのはいけません!
学歴よりも職歴を気にしましょう。
(次回へつづく)

1週間後を目途に記事を続けます。




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